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翼が円柱、新原理で中小型風車を革新:蓄電・発電機器(3/4 ページ)
風車の翼の形は飛行機に似た形状を採る。このような常識を覆す風車「円柱翼風車」が登場した。開発したのは長岡技術科学大学の教授を務める高橋勉氏。中小型風車に向くという。特徴や用途を解説する。
縦渦が円柱を引っ張る
円柱翼風車が利用する縦渦は、特別な現象ではない。円柱の後ろに平板を置くと、交差部付近には朱色で示したネックレス型の縦渦が発生する(図4)。
「円柱が止まっているとき、縦渦は不安定に発生と消滅を繰り返す。円柱が下流の平板に沿って平行に動くと、縦渦は円柱の背後に定在的に発生し、円柱の移動に合わせて移動する。その結果、円柱の前進方向の圧力が低下して円柱を引っ張る力(揚力)を発生する」(岸本氏、図5)。
「円柱が下流の平板と一定のすき間を保って移動できるようにすれば、円柱は平板に沿って滑走する。平板を線路としてリニアモーターカーのように滑走することから『縦渦リニアドライブ』という名称とした。直線状のレールでは動力源として使いにくいため、リング状につないだ。これで円柱をプロペラとして回転させるメカニズムができた」(同氏)。
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