ノルウェーが電気自動車で快挙、シェア4割へ:電気自動車(2/3 ページ)
ノルウェーで電気自動車の記録が生まれた。2017年1月、新車販売台数におけるディーゼル車とガソリン車の合計シェアが5割を切った。ノルウェーは今後も電気自動車の比率を高め、2025年にはゼロエミッション車100%を目指す。
急速に電気自動車が普及
ノルウェーの快挙は偶然ではない。何の政策支援もなければ、国内で採掘された石油資源に頼ることになるからだ。
欧州委員会(EC)の下部組織であるEAFO(European Alternative Fuels Observatory)によれば、2009年時点、ノルウェーのPHEVとEVの市場シェアは0%(図2)。2012年時点でも伝統的なディーゼル車のシェアが75.7%、同ガソリン車が20%、合計95.7%だった。ノルウェーはディーゼル王国だったのだ。
その後、PHEVとEV、特にPHEVのシェアが急増。2016年にはPHEVが13.4%、EVが15.7%に達した。合計すると29.0%である。
政策に市場が反応
ノルウェーにおいてPHEVやEVのシェアが急速に伸びているのは、手厚い政策支援を積み重ねているからだ。
まずは税制上の優遇策。2015年時点では約10万クローネ(約130万円)の購入税が免除されている他、EVに限っては25%の付加価値税(VAT)も免除される。EV導入を狙う主要国でVAT免除を打ち出している国は2015年時点でノルウェーだけだ。
登録税や所有税、社用車にかかる税金も少ない。PHEVやEVを輸入する際には関税がかからない。
利用時のインセンティブも多い。地方自治体によって異なるものの、フェリーを含む道路の通行料金や高速道路の料金が免除される他、PHEVやEVに向けた無料の駐車場が整備されている。バス専用道路の通行も認められている。バスに関する政策もデンマークオリジナルだ。
共有アパートやショッピングセンター、駐車場に普通充電器を設置する際、主要都市では補助金が付く(図3)。急速充電器の支援策もある。主要道路へ50kmごとに急速充電器を設置する場合、やはり補助金が付く。
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