ゴルフ場予定地が九州最大の太陽光発電所に、地域社会を後押しする34万枚の太陽電池:太陽光
鹿屋大崎ソーラーヒルズ合同会社は九州最大級となる太陽光発電所の建設にあたり、2017年4月27日に起工式を開催した。ゴルフ場予定地だった合計約200万m2の事業用地に、太陽電池モジュールを34万740枚を設置。出力は約92MW、年間発電量は約9万9230MWhになる予定という。
2020年1月の稼働開始へ
ゴルフ場として建設予定だった土地が、太陽光発電所に生まれ変わる――。ガイアパワー、京セラなど4社が共同出資した鹿屋大崎ソーラーヒルズ合同会社は、鹿児島県に九州最大級となる太陽光発電所の建設にあたり、2017年4月27日に起工式を開催した。
建設する太陽光発電所は、鹿児島県鹿屋市と曽於郡大崎町にまたがる合計約200万m2の事業用地に、京セラの太陽電池モジュール34万740枚を設置する。出力は約92MW(メガワット)。年間発電量は一般家庭約3万3370世帯分の年間電力消費量に相当する、約9万9230MWh(メガワット時)となる予定だ。売電先は九州電力である。
年間約5万2940トンのCO2削減にも貢献するという。総投資額は約350億円を見込む。2017年4月3日から着工しており、2020年1月の稼働開始を計画している。
雇用創出、税収の増加で地域社会に貢献へ
ガイアパワーの発表によると、約200万m2の事業用地は30年以上前にゴルフ場建設計画が中心された土地であり、地元で有効活用が望まれていた。そこでガイアパワーと京セラ、九電工、東京センチュリーは2014年1月から発電事業の検討を開始した。
2014年5月にガイアパワーが72.7%、京セラと九電工、東京センチュリーが9.1%ずつを出資して、発電事業の運営を行う鹿屋大崎ソーラーヒルズを設立。九電工とガイアパワーの合弁会社が発電所の設計・施工・維持管理を行う。京セラが太陽電池モジュールの供給、東京センチュリーがファイナンスなどを担っている。
同事業では鹿屋市および大崎町における雇用創出、税収の増加などで地域社会の貢献につなげていく。林地開発許可を取得済みで、1年間にわたる環境への影響調査も完了しており、自然環境に配慮した「環境調和型」の発電所になっているという。
なお2015年5月時点では2015年度下期に着工を開始し、2017年度中の稼働開始を予定していた。当初の予定から着工が遅れた理由について、ガイアパワーの担当者は「林地開発の許認可を得るのに想定していた以上の時間を要した」と語った。
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