外出するとポイント付与、省エネ促進へ中部電力が参加型デマンドレスポンス:電力供給サービス
中部電力は夏場の電力需要の削減に向け、参加型デマンドレスポンスサービスの提供を開始した。中部電力と提携する店舗や自治体の施設に訪れた顧客に対し、電気料金などに利用できるポイントをプレゼントする。
中部電力は2017年7月1日から家庭向けWebサービス「カテエネ」において、外出などによって自宅の省エネに取り組んだ顧客に、ポイントを付与する新サービス「ソトエネ」を開始すると発表した。
ソトエネは、電力需要が高まる時期や時間帯などに、中部電力と提携する中部エリアの店舗や自治体の施設に訪れた顧客に対してカテエネポイントなどをプレゼントする、参加型のデマンドレスポンスサービス。
カテエネポイントは電気料金の支払い、商品券、提携先ポイント、寄付などに充てることができる中部電力独自のポイント制度。節電に対するインセンティブを手厚くすることで、電力需要が高まる時間帯における電力消費量を抑制したい考えだ。
ソトエネの利用方法は以下の通り。中部電力がスーパーなど提携先の店舗や自治体の施設に設置する専用機器にスマートフォンをタッチすると、「カテエネスタンプ」を獲得できる。これで外出を確認し、スタンプの数だけカテエネポイントが付与される仕組みだ。
カテエネスタンプは、店舗に訪れるだけでなく、提携先のカラオケ店でカラオケ採点での高得点に挑戦したり、提携する自治体の岡崎市、豊田市、安城市、知立市、みよし市が指定する図書館などの施設(クールスポット)をスタンプラリー形式で回ったりといった方法でも獲得可能だ。
中部電力はソトエネをより多く利用してもらうため、2017年9月15日までの期間にカテエネ会員に新規登録した人には、抽選で100人に5000ポイントをプレゼントするキャンペーンも行う。また、2017年8〜9月分の電気使用期間に、顧客が自身で省エネ目標(前年同月の電気使用量からの削減割合)を設定し、達成した場合にポイントをプレゼントする企画も実施する。
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