“さざ波”設置できる太陽光架台を新開発、低圧のシステム20年保証も:PVJapan2017
エクソルは「PVJapan2017」に出展し、新製品の太陽光発電システム用陸屋根架台「X-3(エックススリー)」を展示した。低角度・低背構造の置き基礎架台で、屋根に穴を開けずに設置できるのが特徴だ。同時に「業界初」という低圧太陽光発電向けの20年システム保証サービスもアピールした。
エクソルは「PVJapan2017」(2017年7月5〜7日、パシフィコ横浜)に出展し、新製品の太陽光発電システム用陸屋根架台「X-3(エックススリー)」を披露した。低角度・低背構造の置き基礎架台で、屋根に穴を開けずに設置できるのが特徴だ。屋根を傷つけたくない住宅や、コンビニや工場などの事業所屋根への設置に向いているという。
パネル角度は3度と水平に近く、陸屋根の上に「さざ波」のように設置できる。アレイ間の影を気にすることなく、間隔を詰めて配置可能だ。こうした特性により、太陽光の入射角度による発電量の変化が小さいため、パネルの方位を気にする必要もない。そのため、屋根のスペースを最大限に活用でき、設置容量を高められるという。
低角度かつパネル設置時の高さは29cmと低背構造のため、建物の外観を損ないにくく、風による負荷も軽減しやすい。設置可能な高さは13m、基準風速38m/s以下としている。
特許出願中の「インサートロック方式」という構造も特徴だ。これは太陽光パネルのアルミフレームにある固定用長穴に支柱金属の突起部を差し込み、押さえ金具で固定することでパネル同士を強固に締結する仕組み。部材点数は従来製品より約28%少なくなり、トータルコストは10%削減したという。置き基礎を両面ブチルテープで固定する仕組みで、屋根に穴を開ける必要がなく、雨漏りや屋根の防水保証が切れる心配もないというメリットもある。
低圧には20年保証も展開
エクソルでは、低圧案件向けに「業界初」(同社)というシステムの20年保証サービスも開始した。事業の途中でパワコンなどのシステム機器の交換が必要になった場合、その各種費用をエクソルが負担するというサービスだ。
エクソルの太陽光パネルと架台、ソーラーエッジ製の三相パワコンを利用することが条件となる。保証の対象となるのは、太陽光パネル、パワコン、架台、ケーブルで、交換時の製品費用、故障時の修理費、不具合原因の確認費用などを保証する。
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