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岡山県初の水素ステーション、九州と関西をつなぐ中継拠点に:蓄電・発電機器
岡山県に、県内初となる水素ステーションの建設が決まった。岩谷産業が岡山市に建設するもので、岡山県は関西と四国、九州をつなぐ「水素充填(てん)拠点」として幅広い燃料電池車ユーザーの利用を見込む。
岩谷産業は、このほど2017年度中の完成を目指し、岡山県岡山市に県内初となる「(仮称)イワタニ水素ステーション岡山南」を建設すると発表した。岡山県は関西と四国、九州をつなぐ要所。建設する水素ステーションは岡山県内の燃料電池自動車(FCV)ユーザーだけでなく、水素充填(てん)拠点として他地域ヘ移動するユーザーの利用も見込む。
定置式の新ステーションの敷地面積は約834平方メートル。圧縮水素オフサイト供給により、150Nm3/hの供給能力がある。充填圧力は82MPa(メガパスカル)で、1時間当たりFCV3台の満充填が可能だという。圧縮機のほか蓄圧器、プレクーラー、ディスペンサーなどの設備を備えている。
また、これらの主要機器類をユニット化して1つのパッケージ内に収める方式を採用し、省スペース化と現地工事の縮小による建設コスト削減を図る。さらに、FCVが普及して充填台数が増えた場合に備え、圧縮水素の貯蔵量を増加させられる仕組みとした。
岩谷産業はこれまでに全国22カ所の水素ステーションを建設しており、新ステーションは今後の地方都市への展開や、土地の制約が多い都市部における水素ステーションのモデルの1つとして考えているという。
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