富士通、2018年度に再生可能エネルギー利用率6%へ:自然エネルギー
富士通はこのほど公開した「富士通グループ環境報告書2017」において、2018年度までに再生可能エネルギー利用率6%以上を目指す新しい定量目標を設定した。
富士通は、2016年度から3カ年の環境目標である「第8期富士通グループ環境行動計画」の2016年度実績をまとめた「富士通グループ環境報告書2017」を公開した。同年度はICTサービス・製品の提供により温室効果ガス排出量削減など社会の持続可能な発展に貢献したとする。また、2018年度までに再生可能エネルギー利用率6%以上を目指すなどの定量目標を新たに設定している。
富士通では、2015年に国連で「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」が採択されことを機に、ICTサービスの提供を通じた温室効果ガス排出量の削減や食糧供給の安定化など、さまざまな社会・環境課題の解決への貢献に注力している。2016年度は737万トンの温室効果ガス排出量削減に貢献したと試算する。
また、製品のライフサイクルにおける環境価値の向上に取り組み、エネルギー効率の高い製品や資源効率の高い製品の開発を行っている。2016年度は高効率冷却技術「Vapor and Liquid Loop Cooling」を採用したサーバなどを開発した。
加えて2016年度は、各事業所におけるBAT(Best Available Technology/温室効果ガス排出量削減のために利用可能な最先端技術)対象機器の導入・更新や、エネルギーマネジメントツールを通じた空調機の運転適正化、製造プロセスの効率化などを実施。温室効果ガス排出量を2013年度比1.6%の増加に抑制するという目標に対し、9.4%の削減を達成した。今後は、事業拠点のエネルギー消費量の見える化、データセンターにおけるJIT(Just In Time)モデリング空調制御や、AIによる学習制御技術などの新技術で空調機の電力効率化を進め、さらなる温室効果ガス排出削減に取り組んでいくという。
この他、再生可能エネルギーの利用拡大という目標に対し、「2018年度までに利用率を6%以上に拡大する」という定量目標を新たに設定した。イギリスやフィンランドなどの海外事業所を中心に再生可能エネルギーの利用を促進しており、2016年度の再生可能エネルギーの利用割合は5.2%(133GWh)となった。今後、さらに再生可能エネルギーの利用を拡大するとともに、利用効率を高めるエネルギーの地域連携シミュレーターの開発や、蓄電池の高効率な充放電制御の研究などに取り組む方針だ。
なお富士通は2017年5月に策定した中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」で、2050年までに自らのCO2ゼロエミッションを目指す方針を掲げている。このCO2排出削減シナリオは、科学的根拠のある水準として、このほど「Science Based Target(SBT)」に承認された。SBTは2015年に国連グローバルコンパクト、WRI(世界資源研究所)などの団体が共同で設立したイニシアチブで、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるために、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標の設定を企業に働きかけている。
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