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小水力発電のコストを削減、マイクロ水車と太陽光で独立電源を構築:自然エネルギー
東京電力ホールディングス、関電工、コスモスウェブ、NTNの4社は、太陽光パネルと水力発電機を組み合わせた独立電源システムの開発を進めている。送電線がない山中の設備に電力供給を行えるようにすることで、小水力発電の初期投資コストの削減などに貢献できるという。
東京電力ホールディングス(東電HD)、関電工、コスモスウェブ、NTNの4社は、再生可能エネルギーを利用して、送電線がない山中の設備に安定して電力供給を行える独立電源システムの開発を進めている。太陽光発電と水力発電機などを組み合わせた実証機を開発し、2017年夏から実証試験を進める計画だ。完成すれば、小水力発電の初期投資コストを大幅に削減できる可能性があるという。
東電HDはオープンイノベーションプラットフォーム「TEPCO CUUSOO」を通して、エネルギーなどに関する課題解決のための技術やアイデアの募集を行っている。その1つとして、送電線を敷設することが難しい山中の設備や装置に、再生可能エネルギーを利用して安定した電力供給を行える独立電源システムの開発を目指している。
国内で開発が進んでいる水路式の中小水力発電所では、山中に点在する複数の装置を稼働させる必要がある。そのために送電線を敷設するコストが、事業の採算効率を下げる要因の1つとなっていた。
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