発電量を下げる太陽光パネルの汚れ、自走式ロボでまとめて洗浄:関西 スマートエネルギーWeek 2017
ネクストエナジー・アンド・リソースは「関西スマートエネルギーWeek 2017」に出展し、自走式洗浄機を利用した太陽光パネルの洗浄サービスを展示した。人手による作業と比較して、洗浄時間を3分の1に短縮できるという。
ネクストエナジー・アンド・リソース(以下、ネクストエナジー)は、「関西 太陽光発電システム施工展」(「関西スマートエネルギーWeek 2017」内、2017年9月20〜22日、インテックス大阪)に出展し、太陽電池モジュールの洗浄サービスを紹介した。ブース内にアレイを設置してデモンストレーションを実施するなど、通常は実際の発電所でしか見ることができない、独自開発の洗浄機の性能を訴求した。
太陽光発電設備では、モジュール表面に付着するほこりや水あか、鳥のふんや花粉などの汚れで発電効率が低下する可能性がある。こうした清掃作業は人手で行われていることが多く、当初の事業計画を上回る保守管理費用が顕在化している。
同社が提供するモジュールの洗浄サービスは、こうした太陽光発電設備の清掃ニーズに向けたもので、独自開発の自走式洗浄機「PV Cleaner」を利用するのが特徴だ。人手による作業と比較して、洗浄時間を3分の1に短縮することで、大幅なコストダウンが図れるという。
洗浄機は組み立て式のポータブル設計で、野立て設置、屋根上設置のどちらにも適用可能だ。ユニット構造により2段、3段へと拡張可能で、縦方向に最大6枚までのパネルを一度に洗浄することができる。洗浄用の水には、純水を使用する。これは水道水をそのまま使用するとカルキやシリカなどの不純物とブラッシングで、ガラス表面に微細なヒビ(クラック)や傷、水あかが付いてしまうのを防ぐため。
1日当たり500〜600kWのパネル洗浄が可能だという。太陽光パネルに特に多い、ほこりや水あか、鳥のふん、花粉、黄砂などの汚れに対応する。実証実験では洗浄作業によるパネルへのダメージは確認されていないという。同社ではこの洗浄サービスを実施することにより、平均3〜5%向上の発電量の向上が見込めるとしている。費用は1MW当たり50万円からが目安となる。
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