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小水力発電の出力アップに、水圧管路のエネルギー効率を高める曲管:自然エネルギー
積水化学工業は、小水力発電の水圧管路に利用する曲管の新製品を開発。屈曲部の無い緩やかでスムーズな曲がり形状により、エネルギー利用効率の高い水圧管路を構築できるという。
積水化学工業は、小水力発電の水圧管路に利用するFRPM(強化プラスチック複合管)用曲管「FTR-3D」を、2017年10月2日から販売する。FTR-3Dは、同社独自の成形方法による屈曲部の無い緩やかでスムーズな曲がり形状により、エネルギー利用効率の高い水圧管路を構築できるという。
積水化学工業はFRPM管「エスロンRCP」の製造販売を1974年10月から開始し、農業用水や小水力発電、下水道などの管路向けに販売実績を積んできた。特に小水力発電分野では近年、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」の開始による需要増を受け、納入実績が大きく拡大。それに伴い、新製品開発にも注力してきたという。
小水力発電施設の水圧管路は直管と曲管で構成される。高いエネルギー利用効率(小さな損失水頭)を得るためには、曲管部分で流速をいかに維持できるかがポイントとなる。そのため、曲管には内面に屈曲部がないスムーズ形状であることや、曲率半径がなるべく大きい緩やかな曲がり形状であることが求められている。
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