日清オイリオが全工場のエネルギー利用を抜本改革、JFEエンジが一括管理:電力供給サービス
JFEエンジニアリングが日清オイリオの生産拠点にコージェネシステムを導入。燃料調達から発電、余剰電力の管理までを一括で管理し、エネルギーの有効利用とコスト削減を図る。
日清オイリオグループとJFEエンジニアリングはこのほど、日清オイリオの生産拠点全体のエネルギー調達から供給までの最適化の実施について、基本合意したと発表した。
日清オイリオはこれまで、安定した電力確保と環境負荷低減を目的として、各拠点で自家発電設備の増強や省エネ活動に取り組んできた。JFEエンジニアリングはコージェネレーションシステムや再生可能エネルギーを活用したオンサイトエネルギーサービス(需要家の敷地内にエネルギー供給設備を設置し、電気や熱のエネルギー供給を行うサービス)事業を積極的に推進している。
このほど、両者は協働し、「全社規模でのエネルギー融通の仕組み」の検討を進め、エネルギー調達から供給までの抜本的な見直しを行い基本合意に至った。
合意内容は日清オイリオの生産拠点である横浜磯子事業場、名古屋工場に、JFEエンジニアリングがコージェネレーションシステムを設置し、オンサイトエネルギーサービスを提供する。JFEエンジニアリングは、これらのサービスで得られる電力と、自社の保有電源や送電ネットワークを駆使し、日清オイリオの他拠点(堺事業場、水島工場)へも電力を融通し、日清オイリオの生産拠点全体の電力を安定的に確保する。
全国に展開する生産拠点を対象にし、同時にエネルギー調達から供給までの最適化を行う今回の両者の取り組みは、国内初という。
この取り組みの効果として、日清オイリオはCO2排出量を2015年度比で約17%削減できる見込みだ。合わせて、コスト構造の見直しにより、エネルギー調達費用も削減できると予想している。今後、このスキームをグループ会社を含む日清オイリオのその他生産拠点、事業所などに拡大することも検討していく。
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