太陽光発電を池に沈める、水害時の対処指針を策定へ:太陽光
NEDO、JPEA、奥地建産が太陽光発電設備の水没実験を実施。感電などの危険がある水害に遭った発電設備の点検や撤去手法の指針策定に役立てる。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と太陽光発電協会(JPEA)、奥地建産は、太陽光発電システムの水没実験を行ったと発表した。水害時における太陽光発電システムの感電リスク等を把握するためのもので、2017年11月28日〜12月1日の4日間、山梨県北杜市で実施した。
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」の導入により、太陽光発電システムの導入は増加している。一方で、台風や大雨被害といった自然災害により、太陽光発電システムが破損したり、水没したりといった事象の発生が課題となっている。太陽光発電システムの水没は絶縁性能の低下などを招き、システムへの近接や接触による感電の危険性がある。これまでもJPEAは、太陽光発電システムが水害の被害を受けた場合の対処などについて注意喚起を行ってきた。
今回3者は、NEDOの「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト/安全確保のための実証」の一環として、太陽光発電システム水没実験を実施。実験では、水没時に太陽光発電設備による発電が継続した場合を想定し、太陽電池モジュール、接続箱、パワーコンディショナーなどの太陽光発電設備を実使用に近い状態(太陽電池アレイ)に組み、これらを実際に外部の環境から閉鎖された池(同市北杜サイト太陽光発電所横の調整池)に水没させた。そして、発電設備から水中への漏電状況を測定することによる水中での感電リスクの把握、および水没後の状態の測定といった定量的な調査を行った。
また、この実験に先立ち、小規模での事前確認として太陽電池モジュールや接続箱などを水槽に水没させ、漏電状態を計測する実験を実施している。
今後、同実験から得られた知見をもとに、太陽光発電システムの水害時における点検・撤去の安全性の確保、点検用の装備や対策の指針の策定を目指す方針だ。
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