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岩谷とトクヤマが水素製造能力を増強 水素社会を見据える:蓄電・発電機器
岩谷産業とトクヤマが合弁会社の水素製造能力を増強。燃料電池車の普及や、産業用分野での需要増に応える。
岩谷産業とトクヤマの合弁会社、山口リキッドハイドロジェン(大阪市)は、液化水素の製造能力の倍増工事をこのほど完了したと発表した。
液化水素の需要は、今後普及が見込まれる燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)向けに、大幅な伸びが予測される。加えてロケット用燃料や半導体、化学など産業用分野で需要が増加しており、今回の増強はそれらの需要増に対応するものだ。
山口リキッドハイドロジェンでは、山口県周南市のトクヤマ徳山製造所で苛性ソーダ生産時に発生する水素ガスを配管で受け入れ、精製・液化している。製造した液化水素は、全量岩谷産業が販売する。岩谷産業は、今回の増強により、液化水素の製造供給能力が年間8000万m3(立法メートル)から1億m3に拡大する。水素エネルギー社会の早期実現に向けて、供給体制を強固なものとし、さらなる安定供給体制の強化を図る方針だ。
山口リキッドハイドロジェンは資本金1000万円(出資比率岩谷産業65%、トクヤマ35%)で設立し、2013年6月に営業を開始した。今回の増強工事により、生産能力は3000l/h(リットル毎時)の設備が2系列となり、年間生産能力は4000万m3に拡大する。
なお、岩谷産業のその他の水素プラントとしては岩谷瓦斯千葉工場(千葉県市原市、営業開始2009年7月、年間生産能力2000万m3、関西電力、堺LNGと合弁で設立したハイドロエッジ(大阪府堺市、2006年4月、4000万m3)が稼働している。
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