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IoTが生む新しいエネルギーサービス、成功の鍵は――大阪ガスのキーマンに聞くIT活用(2/3 ページ)

IoT(モノのインターネット)を活用したエネルギーサービスとして、業界外からも注目されている大阪ガスの“クラウドにつながるガス機器”。サービスを開発したきっかけやその狙い、エネルギー業界のIoT活用のポイントや課題について、大阪ガスのキーマンに聞いた。

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 開発したエネファーム用のIoTサービスを、メンテナンス業務の視点から見た場合、センサーを活用して現場到着前に故障内容を把握できるというメリットがある。従来のメンテナンス業務では、現場に到着してから燃料電池の情報を取得・解析して不具合の原因を特定していたため、作業負荷が高く、時間もかかっていた。こうした現場に行かなければ分からなかった情報を、遠隔から事前に把握できれば修理計画が立てやすくなり、作業効率も高まる。作業時間が短縮できれば、顧客の負担も少なくなる。

 実際にこのIoTサービスを導入したところ、従来のメンテナンス業務と比較して、

  • 現場でのメンテナンス時間を平均56分短縮
  • 現場への再訪問率を半減

といった効果を挙げることができたという。この効果もあり、販売担当者が積極的にエネファームのIoTサービスを顧客に提案するようになった。現在では顧客宅に設置されているエネファームの8割以上がクラウドに接続されているという。


エネファームのインターネット接続数推移(クリックで拡大) 出典:大阪ガス

 この接続率について、八木氏は「現在、インターネットに接続せずとも動作する家電で、ネット接続されている製品の接続率は2〜3割程度だろう。(同様の製品であるエネファームで8割以上という)この接続率に達しているものは他にはないのではないか」と話す。

 大阪ガスではこのエネファーム向けのIoTサービスの基盤を生かし、エコジョーズのIoT対応を2017年10月より開始。エネファームと同様の遠隔操作・機器状態見守り・見える化サービスなどに加えて、ヒートショックなどを注意喚起する入浴見守り、入浴で体脂肪率を計算できるヘルスケア機能を新たに搭載するなど、より消費者ニーズに寄り添ったサービス提供を目指した。

エコジョーズの入浴見守り、ヘルスケア機能(クリックで拡大) 出典:大阪ガス

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