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東京都目黒区が気仙沼産バイオマス電気を購入、再エネ活用と復興支援を後押し:自然エネルギー
東京都目黒区は、宮城県気仙沼市の復興支援および再生可能エネルギーの活用促進を目的として、気仙沼産バイオマス発電由来のFIT電気を2018年4月から購入を開始すると発表した。
東京都目黒区は、友好都市である宮城県気仙沼市の復興支援および再生可能エネルギーの活用促進を目的として、みやまスマートエネルギー(福岡県みやま市)が供給する気仙沼産バイオマス発電由来のFIT電気(固定価格買取制度の適用を受けた再生可能エネルギーの電力)を2018年4月から購入を開始すると発表した。
電力購入施設は発電量に見合う電気使用量の実績がある施設とし、気仙沼市と縁のある施設で「目黒のさんま祭り」の会場となっている田道ふれあい館、自然宿泊体験教室を実施している駒場小学校および東山中学校の他、30施設としている。
発電事業者の気仙沼地域エネルギー開発(気仙沼市)は、気仙沼の森林から出る間伐材をバイオマス発電に活用し、林業の維持および地域活性化を意識した取り組みを行っている。そこで、発電された電気を目黒区の施設で購入することにより、事業支援を図るとともに復興支援に寄与することを目指すものだ。
また、小売電気事業者のみやまスマートエネルギーは、家庭などを対象とした低圧電力売買を主な目的として設立された日本初の自治体による事業会社で、自治体、地域金融機関、民間のノウハウを活用した地方創生のモデルケースとして、分散型・自立エネルギーシステム構築に取り組む。
今回の事業について目黒区環境保全課は「区内では実現が困難なバイオマス発電由来のFIT電気を購入することで、友好都市である気仙沼市の復興支援につなげたい」と述べている。
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