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陸上に洋上向けの大型風車、太陽光と連系するハイブリッド発電所:自然エネルギー
ジャパン・リニューアブル・エナジーと北拓は、風力発電所と太陽光発電所を併設したハイブリッド発電所の運転を開始したと発表した。約1997万kWhの年間発電量を見込む。
北九州市若松区の世帯数約16.4%分の発電量を見込む
ジャパン・リニューアブル・エナジーと北拓は2018年1月11日、風力発電所と太陽光発電所を併設したハイブリッド発電所「響灘ウインドエナジーリサーチパーク」の運転を開始したと発表した。国内最大出力規模の風力発電機を2基導入し、発電量の最大化と天候による発電量変動の抑制を狙う。
響灘ウインドエナジーリサーチパークに設置された2基の風力発電機は、洋上設置向けの機種と同型モデルとなる。ローターの回転直径が112mに達し、1基当たりの出力は3300kW(キロワット)。これは現在国内で運転中の風力発電機としては、国内最大級の出力規模になるという。
同発電所では3046kWの出力を持つ太陽光発電と組み合わせて発電を行うハイブリッド型が特徴となっている。九州電力と契約した1つの連系枠を共有し、夜間や曇天など太陽光が連系出力に満たない場合は、風力の発電電力を投入するなどして、発電量を最大化する。太陽光と風力を合わせた発電能力は9046kWで、年間発電量は約1997万kWh(キロワット時)を見込む。これは、一般家庭約5547世帯分の年間消費電力量に相当し、北九州市若松区の世帯数約16.4%分に相当するという。
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