パナソニックがAI対応HEMSを販売、新築戸建市場からの脱皮を狙う:スマートホーム(2/2 ページ)
パナソニックは、スマートHEMSの中核商品「AiSEG2」をバージョンアップし、2018年3月21日より発売する。新型AiSEG2の発売によって、従来HEMSの市場だった「新築戸建&エネルギー」に加え、集合住宅やリフォーム市場の開拓を狙う。
AIとスマートHEMSでエコキュートの夜間沸き上げやEV充電制御も
「AIを活用した最適制御」では、エコキュートの夜間沸き上げを翌日の天気予報情報と日常の電気使用量から最適な運転を自動で制御するほか、AiSEG2に対応したエアコンや照明と組み合わせることで、1日の電気代しきい値を超過した場合には自動的に抑制運転をさせることができるという。また、提供時期は未定とするがEV(電気自動車)との連携も予定しており、AiSEG2の画面やスマートフォンアプリから充電状況の確認や電気料金プランに合わせた充電タイミングの最適制御を想定していると発表した。
「音声操作の対応」については2018年度中のサービスインを予定しており、Googleが提供する音声アシスタント「Google Assistant」によって家中の機器を一括操作できることが可能になるという。松本氏は「(インテリジェントリモコンなど)他社製品でも音声操作で家電などを制御できるが、スマートHEMSでは照明やエアコン、エコキュートなども含めて一括で操作できることがメリットだ」とスマートHEMSの利点を語る。
新型AiSEG2について現在は、ハウスメーカーへの提案を進めている他、マンション・アパートなどの集合住宅や既設住宅のリフォーム案件も新たなターゲット市場と設定する。2016年度には1万7000台を販売したAiSEG2だが、このバージョンアップで2018年度に3万台、2020年度に2016年度比で2.4倍の販売を見込んでいる。
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