雲粒子の影響も解析、日本初をうたう高精度な太陽光発電量予測サービス:太陽光
ウェザーニューズは、日本で初めてという雲粒子による影響も考慮した太陽光発電量予測技術および日射量予測技術を活用したサービス「新太陽光発電量予測」の販売を開始した。
気象情報会社のウェザーニューズ(千葉市)は、日本で初めてという最新の物理気象学に基づいた太陽光発電量予測技術および日射量予測技術を活用したサービス「新太陽光発電量予測」の販売を開始したと発表した。
新太陽光発電量予測では、同社が参画する太陽放射コンソーシアムで培われたビッグデータ解析と予測技術を用いて、雲粒子による光の散乱・吸収も考慮した太陽光発電量予測および日射量予測を1kmメッシュという高解像度でリアルタイムに提供できることが特長だ。
近年、自然エネルギーによる発電量を見越した需給バランスの“同時同量”の維持が、経済性と環境性の観点から重要なテーマとなっており、電力の安定供給・利用のため、日射量の実況解析、日射量の予測と発電量の予測がリアルタイムで求められる。
一方で、これまで実用化されてきた予測サービスでは、地上の観測データから統計的に算出する回帰分析モデルを用いて日射量を予測し、その日射量予測をもとにした1週間先までの太陽光発電量予測を提供してきた。
ただ、この一般的な予測方法では、雲粒子による太陽光の散乱・吸収が考慮されない、回帰分析モデルには特定観測地点からの“点”の観測データが用いられ、リアルタイムでの気象現象に対応した最適値を求めることができないといった、大きく2つの課題点があるという。
本サービスは、雲に含まれる雲粒子・大気汚染物質・黄砂などによる光の吸収・散乱を考慮した日射量の解析実況値を、特定の観測地点の統計値に依存せず、“面”的に予測に取り込むことで、太陽光発電量予測の2つの課題を解決した。
同社では今後、本サービスを国内外で広く導入、運営することでさらなる予測精度向上に努めるとしている。
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