北海道初の商用水素ステーション、札幌で運用開始:電気自動車
商業用では北海道では初という水素ステーションが札幌市に解説した。産業ガスメーカーのエア・ウォーターが運営する水素ステーションで、1時間に2台の燃料電池車に水素を供給できる。
エア・ウォーター(大阪市)はこのほど、商業用の水素ステーションとしては北海道では初(同社)という水素ステーション「エア・ウォーター移動式水素ステーション札幌」(札幌市)の運用を開始した。
同社は、北海道内で唯一、産業用の水素ガスを製造・供給している産業ガスメーカー。水素に関する知見や技術を生かし、北海道での水素エネルギー社会の実現に向けて、各自治体と連携を続けながら、燃料電池車(FCV)や燃料電池フォークリフトなどの普及促進に関する取り組みを積極的に行ってきた。
具体的には、2016年4月に室蘭市が整備した移動式水素ステーションの設計・製作を行った他、同市からの委託を受けてこの移動式水素ステーションの運用・管理業務を実施している。また、2017年1月には、環境省からの委託により鹿追町に水素製造・供給施設「しかおい水素ファーム」を開所し、家畜ふん尿由来の水素ガスを活用した水素サプライ・チェーンの実証事業を行うなど、低炭素な地産地消型水素エネルギー社会の実現に向けて貢献することを目指している。
今回運用を開始した、エア・ウォーター移動式水素ステーション札幌は、札幌市が策定した「札幌市燃料電池自動車普及促進計画」に基づき、同社が北海道内におけるFCV普及促進の一助とするため、次世代自動車振興センターの「水素供給設備補助金」、北海道の「水素ステーション整備事業費補助金」および札幌市の「水素供給設備整備事業費補助金」などの交付を受けて、整備を行った。
FCVに充填圧力82MPa(メガパスカル)の水素を約3分間で充填(じゅうてん)できる機能を、40フィートコンテナ内に搭載した移動可能な水素ステーション。供給能力は117Nm3/h。この能力はFCV1台に充填する水素量を5kg(56Nm3)とした場合、1時間当たり2台に充填が可能だ。
なお、エア・ウォーターによると、北海道内では室蘭市の移動式水素ステーション、鹿追町の定置式水素ステーション(いずれも実証用)に続く3カ所目の水素ステーションになる。
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