ニュース
日産リーフのバッテリーを再利用、産業用の蓄電システムを新開発:蓄電・発電機器
日本ベネックスらは、電気自動車の使用済みバッテリーを再利用した産業用蓄電システムを開発した。富士電機が産業用システムとして販売する計画だ。
日本ベネックス(長崎県諫早市)、住友商事、富士電機の3社は、電気自動車(EV)のリユース蓄電池を用いた新型の蓄電システムを共同開発し、1号機を日本ベネックス本社工場に導入し運用を開始した。富士電機は、同システムを商品化し、産業用システムとして販売する計画だ。
同システムは、20フィートのコンテナに日産自動車のEV「リーフ」24台分のリユース蓄電池を格納したもの。定格出力は400kW(キロワット)、容量は400kWh(キロワット時)で、日本ベネックスの高密度積載設計技術によって、従来の2倍の積載効率を実現したという。富士電機の蓄電制御技術をベースとしており、工場やビルの電力需要ピーク時の補助電源として電気代の削減に貢献する他、太陽光発電システムで発電した電力を自家消費したいというニーズに応えるシステムとなっている。災害時のバックアップ電源としての利用も可能だ。電池交換やメンテナンスもしやすく、大型化も可能という。
この他、国が推進する自動デマンドレスポンス用の通信規格「Open ADR」に対応。外部サーバから充放電などの運転を制御することができる。今後普及が見込まれるVPP(バーチャル・パワー・プラント)などの新しいエネルギーマネジメント事業への対応も見据えた。
関連記事
- EVの“使用済み”バッテリーがドル箱へ、再生エネの導入拡大が後押しか
電気自動車(EV)の普及拡大に伴い、使用済みバッテリーの処理方法は1つの課題だ。EVに注力する自動車メーカーはこうした使用済みバッテリーを、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い需要が増している蓄電システムに再利用する取り組みを進めている。 - リチウムを超える「アルミニウム」、トヨタの工夫とは
電気自動車に必要不可欠なリチウムイオン蓄電池。だが、より電池の性能を高めようとしても限界が近い。そこで、実質的なエネルギー量がガソリンに近い金属空気電池に期待がかかっている。トヨタ自動車の研究者が発表したアルミニウム空気電池の研究内容を紹介する。開発ポイントは、不純物の多い安価なアルミニウムを使うことだ。 - 自動車販売店にリチウムイオン電池、災害時にもEVにエネルギー供給
三菱自動車がさいたま市に次世代販売店舗を整備。新たにリチウムイオン電池を設置し、周辺地域が停電した場合でもEVなどに電力供給を行えるようにする。 - 究極の“リチウム空気電池”、ソフトバンクとNIMSが共同開発へ
ソフトバンクと物質・材料研究機構(NIMS)が、究極の二次電池とされる「リチウム空気電池」の共同開発に着手。2025年の実用化を目指すという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.