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既設の水力発電所、取水量を増やして発電量アップ:自然エネルギー
北海道電力が既設の水力発電所の出力を増強。取水量を見直すことで出力を増強し、発電量を年間146万kWh向上させる。
北海道電力はダム水路式の水力発電所である「奥沙流(おくさる)発電所」の出力を、800kW(キロワット)増の1万5800kWに増強した。電気事業法に基づき、発電事業変更届出書を経済産業大臣へ提出している。
奥沙流発電所は1994年4月に運転を開始。立軸単輪単流渦巻(うずまき)フランシス水車、立軸三相交流同期発電機などを装備している。今回の出力変更は、水車発電機の性能確認試験結果に基づく最大取水量の増量により、最大出力を増加させたもの。これにより、年間発電量は146万kWh(キロワット時)増加する見込みだ。
これにより、供給力の増加に寄与するとともに、火力発電量を抑制できることから、年間930トン程度のCO2排出量削減効果を見込む。
同社における水車発電機の性能確認試験結果に基づく最大出力増加は、2015年10月に「愛別発電所」(愛別町)の出力を増強して以降、5例目となる。今後、他の水力発電所についても、同様の取り組みを進めていく方針だ。
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