ブロックチェーンで太陽光の余剰電力をP2P取引、関西電力が実証:電力供給サービス
関西電力は太陽光発電を備えた住宅と他の一般住宅との間で、太陽光発電で生じた余剰電力を直接取引する実証研究を開始した。ブロックチェーン技術を活用した電力直接取引に実績がある豪パワーレッジャー社との共同実証だ。
関西電力はこのほど、電力の消費者とプロシューマーが、太陽光発電によって生じた余剰電力を直接取引する実証研究を、豪パワーレッジャー社と共同で開始した。
プロシューマーは生産者(Producer)と消費者(Consumer)とを組み合わせた造語で、自身で発電した電気を消費し、余剰分は売電する生産消費者のこと。太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーなどの普及により、現在の電力供給システムは、従来の大規模集約型から自立分散型のシステムへ変化してきており、将来的にはプロシューマーと電力消費者との間で、専用のプラットフォームを介し、電力の直接取引が行えるようになる可能性が期待されている。
一方、金融をはじめ各業界において、ブロックチェーン技術(分散型台帳と呼ばれており、取引データを分散し、顧客同士で管理し合う技術のこと)の普及が進むことが予想されている。電力直接取引においても、このブロックチェーン技術の活用に注目が集まっている。などそこで関西電力は、豪州などにおいてブロックチェーン技術を活用した電力のP2P(ピア・ツー・ピア)取引の実証研究実績を持つパワーレッジャー社と共同で、実証に取り組むこととした。
同実証研究の具体的な内容は、同社の巽実験センター(大阪市)で、太陽光発電設備を設置したプロシューマー宅で発生した余剰電力を、同実験センター内の複数電力消費者宅へ送電する。各住宅に設置したスマートメーターを通じて得られた電力量やそれに伴うその料金について、パワーレッジャー社の電力P2P取引システムにより、プロシューマーと電力消費者の間で、仮想通貨を用いて模擬的に取引を行う。実証期間は2019年3月末まで。
関西電力は、同実証研究を通じてブロックチェーン技術を用いた事業構築・運営などの知見を得るとともに、今後、一般家庭での検証など、より実践的な実証研究にもつなげていきたい考えだ。
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