富士電機が新型燃料電池を実用化、2018年度内に販売へ:蓄電・発電機器
富士電機はNEDOの助成事業で開発していた業務用SOFCの実用化にめどをつけた。2018年度内に製品化し、販売を開始する予定だ。
富士電機は、新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の助成事業による実証評価が終了し、業務用SOFC(固体酸化物形燃料電池)の開発に目途がついたと発表した。2018年度内に製品化し、発売する予定だ。
燃料電池は、天然ガスなどから取り出した水素を化学反応させ発電する。発電過程でのエネルギーロスが少なく、発電時の排熱が利用でき、二酸化炭素(CO2)排出量削減に貢献するなど環境性能の高い発電設備として位置付けられている。富士電機は1960年代に開発を開始し、1998年に出力100kWの業務用PAFC(りん酸形燃料電池)を発売した。以来、日本、韓国、ドイツ、米国、南アフリカに計86台(2018年4月現在)の納入実績がある。
SOFCはPAFCに比べて発電効率が高いことなどから、その実用化が強く望まれている。同社は2014年度からNEDO助成事業(固体酸化物形燃料電池を用いた業務用システムの実用化技術実証)に参画し、50kW級業務用SOFCの要素技術開発および実証評価を行ってきた。
最終年である2017年度は同社千葉工場内で実証試験を行い、基本特性評価と3000時間以上の耐久性評価を実施。安定運転が可能なことを確認した。
同社製SOFCは、都市ガスを燃料に独自開発の高効率インバーターの適用などにより、高い発電効率(55%)を実現する。また、熱回収効率は30%、総合効率85%、外形寸法は5.0×2.2×2.8メートルとしている。想定導入先はホテル、病院などを見込んでいる。
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