ニュース
落差10メートルで150世帯分の電力を生む、栃木県に小水力発電所:自然エネルギー
栃木件に農業用水路を利用した小水力発電書が完成。約10メートルの落差を利用し、150世帯分の年間使用電力量に相当する発電量を見込んでいる。
栃木県が建設を進めてきた、農業用水路を活用した小水力発電書が2018年4月から運転を開始した。三栗谷用水土地改良区(栃木県足利市)と待矢場両堰土地改良区(群馬県太田市)の共用施設である矢場幹線水路を利用した「待矢場三栗谷発電所」(群馬県太田市)だ。
今回の事業は小水力発電を導入し、その売電収入を両土地改良区が管理する農業水利施設の電力費用に充てることで農業用水利施設の維持管理費軽減と、農業生産性の向上や農村地域の活性化および環境に配慮した再生可能エネルギーの有効活用を図ることを目的としている。
2012年度に予備調査を開始し、2016年度に用地を買収、発電設備工事、発電施設建設工事に着手した。2018年4月に完成し、発電を開始している。総事業費は2億2100万円。有効落差は10メートルで、年間発電量は約150世帯分の年間使用電力量に相当する44万9126kWh(キロワット時)を見込んでいる。
関連記事
- 水深10センチの水路でも発電、新しい小水力発電機を開発
鉄建建設は小さな農業用水路などでも発電できる、新しい小水力発電装置を開発。新開発のタービンによって、少ない流量・流速でも発電できるのが特徴だという。 - 「水路で発電」を低コストに、3人で設置できるマイクロ水車
日本の各地に広がる用水路。規模は小さいものの、その水流を活用して発電する取り組みが広がっている。NTNは農業・工業用水路に設置しやすい、プロペラ式の小水力発電機を開発した。このほど福島県須賀川市の「新安積疎水」での実証を終え、2016年12月から販売を開始する予定だ。 - 落差1メートルの水路でも発電可能、設置も簡単な小水力発電機
協和コンサルタンツは新開発の用水路向けの小水力発電機の販売を開始した。同社独自開発の相反転方式を採用した発電機で、1メートルと小さな落差でも発電できるのが大きな特徴だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.