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国内材を有効利用、住林とJ-POWERが木質ペレットの専門会社:自然エネルギー
住友林業と電源開発が木質ペレットの製造・販売会社を設立。国内の未利用材などを活用した木質チップの製造・販売を行う。
住友林業と電源開発(J-POWER)は2018年6月、木質ペレットの製造・販売会社SJウッドペレット(東京都千代田区)を同年7月2日付で共同設立すると発表した。
新会社は国内の林地未利用木材などを発電用燃料として活用し、国内最大級の木質ペレット供給体制の検討を行い、2021年の事業化を目指す。資本金は1000万円で、出資比率は住友林業51%、電源開発49%。代表者には住友林業 資源環境本部環境・エネルギー部長の安藤祥一氏が就任する予定だ。
日本の森林は全国的に伐期を迎えており、伐採して活用し再植林するという山林の循環が課題となっている。山林での間伐材や伐採後に曲がりや小径のため未利用のまま山林内に残された林地未利用木材をはじめとした木質資源の活用は、さらなる森林の利活用を促し、持続可能な社会の実現につながる。
住友林業はグループの木材調達ネットワークを活用し、森林の適正管理と国産材の安定供給を行い、サステナブルな木質資源を確保する。
電源開発は木質バイオマス燃料を石炭と混焼利用することで石炭火力発電所の二酸化炭素排出量の削減に取り組む。
森林は木材の生産だけでなく、水源のかん養、土砂流出の防止、二酸化炭素吸収などさまざまな公益的機能を有している。新会社の設立で住友林業と電源開発は、林地未利用木材を再生可能エネルギーとして活用し、国内林業振興と地域活性化および森林の公益的機能の維持・保全を推進する。
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