企業の脱炭素化ニーズに対応、“脱FIT”の太陽光発電を構築:自然エネルギー
NTTファシリティーズは「PVJapan 2018」で、FITを使わない太陽光発電所を利用したグリーン電力供給サービスなどを紹介。企業の脱炭素化ニーズに向けた取り組みを強化する。
太陽光発電に関する製品・システム・ソリューションなどを一堂に集めた展示会「PVJapan 2018」(主催=太陽光発電協会)が6月20〜22日までパシフィコ横浜で開催された。NTTファシリティーズは「FITを活用しない太陽光発電所」をテーマに、最新ソリューションや各種サービスを紹介した。
パリ協定が2016年11月に発効されて以来、SBT(Science Based Targets)への参加や「RE100(Renewable Energy 100%)」への加盟などを通じて、脱炭素化に取り組む企業が増える傾向にある。
そこで、NTTファシリティーズではこうした企業に対し、CO2排出量削減に有効なグリーン電力を提供するサービスを開始している。さらにこのサービスに向け、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」による売電を行わない、“ポストFIT”モデルの太陽光発電所の構築も進めている。
同社のグリーン電力供給サービスでは、企業の敷地内(遊休地や工場、駐車場の屋根などの空きスペース)を有効活用して自家消費型の太陽光発電設備を構築し、そこで発電した電力を届ける方法(オンサイト型)と、低炭素なグリーン電力を、既存送配電網を通じ企業に直接届けるオフサイト型の2つの方法(Fグリーン電力)を提供していく方針だ。この取り組みで、企業の脱炭素化ニーズに応える狙い。
ブースでは太陽光発電所向けの保守サービスなども訴求した。同社は全国に250カ所の保守拠点を構えるほか、24時間365日の遠隔監視(FOC)などをはじめ手厚いサービス体制で事業者をサポートしており、保守実績は1GW(ギガワット)、432サイトに達する。
サービスメニューには豊富な経験と実績を生かした太陽光発電所保守サービスと、同社が指定する保険会社による損害保険を組み合わせてパッケージで提供。保守と保険のパッケージ化により、太陽光発電所の日常点検から故障修理までをトータルサポートする「損害保険付き太陽光発電所保守サービス」がある。
同サービスでは太陽光発電所で故障が発生した場合、駆け付けから保険対応までNTTファシリティーズがワンストップで対応することで、修理依頼と保険手続きの窓口が一元化でき、手間・稼働を削減することができる。さらに、保険査定に必要な情報の提出を同社と保険会社が代行することで故障修理に要する期間を短縮。故障に伴う発電機会の逸失を削減できるとする。保守と保険の一元化により、これまで双方にかかっていた運用コストが5〜10%程度削減できるという。
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