小水力発電でエネルギー地産地消、地域新電力が鹿児島で:自然エネルギー
鹿児島県日置市の地域新電力であるひおき地域エネルギーが手掛ける小水力発電所が稼働を開始。発電した電力は産地消の電気として地域内で使用する。
ひおき地域エネルギー(鹿児島県日置市)が地元企業、自治体と開発を進めてきた「永吉川水力発電所」(愛称=水永吉(みなきち)君)がこのほど営業運転を開始した。
新発電所は川や農業用水路などを流れる水の力を使って発電する小水力発電所で、大規模なダム型の水力発電に対して、流れている水をそのまま取り込み使うため、環境負荷が少ないなどの特徴がある。
ひおき地域エネルギーは、出資者でもある地元企業とともに、自治体や地元金融機関の協力も得ながら、前身のひおき小水力発電推進協議会当時の2013年から小水力発電の開発を進めてきた。永吉川水力発電所は、2017年に着工し、2018年6月に運転を開始。発電出力は44.5kWで、有効落差は8.65m、最大使用水量0.68m3/s(立法メートル毎秒)。約70世帯分に相当する年間発電量を見込んでいる。発電した電気は地産地消の電気として地域内で使われる予定だ。
発電所の仕組みは、まず、取水設備から水車を回すための水を取り込む。沈砂池・ヘッドタンクで、砂や石などを沈ませ、水車の羽根が壊れないように余計なものを取り除いた水を水車まで送る。発電所建屋には水車・発電機・配電盤などを装備しており、取り込んだ水が水車を回し、その回転力で発電機を動かし発電する。水車を回した水は放水路から川に戻す。
永吉川水力発電所の水車は、クロスフローという種類の水車(独ヴァッサークラフトフォルク社製)で、二つのガイドベーン(案内羽根)の効率が落ちないよう水の量を自動調整する。水が少ない場合は片方のガイドベーンが閉じ、もう一方のガイドベーンのみが開いて水車を回す構造となっている。水車のサイズは約1.2×1.2m(メートル)。また、発電機には永久磁石発電機を採用した。
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