55.7mの落差で830世帯分の電力、長野県に小水力発電所:自然エネルギー
グリーン電力エンジニアリングが長野県塩尻市に小水力発電所を建設。55.7mの落差を利用して、約830世帯分の使用電力量に相当する発電量を見込んでいる。
グリーン電力エンジニアリング(東京都千代田区)は、長野県塩尻市に「塩尻市奈良井川萱ヶ平小水力発電所」の建設に着工することを決定し、7月5日に起工式を行うと発表した。グリーン電力エンジニアリングによる初めての小水力発電所で、稼働は2019年秋ごろを目標にしている。
同発電所は、信濃川水系奈良井川の流水を利用し、取水部流域面積は19.6平方キロメートルに及ぶ。総落差55.7m(メートル)を利用して、一般家庭の約830世帯分に相当する年間300万kWh(キロワット時)の発電量を見込んでいる。
発電設備は、グループ会社の朝日機工(大阪府守口市)で製造したものを使用し、計画から供用開始までの期間短縮と発電設備の調達コストの低減化を可能にしている。
グリーン電力エンジニアリングでは、今後、自らが発電事業者として小水力発電所を展開する他、そのノウハウを生かし、小水力発電事業を検討している他事業者へのコンサルティング業務も積極的に行っていく考えだ。水車や水門扉、除じん機などの発電設備については、朝日機工と協働して同社製の設備の販売に取り組む。
同発電所の計画は、塩尻市の新エネルギー計画に整合し、新エネルギー利用促進などの観点に一致した事業として、同市から河川の紹介などでの協力を得たという。塩尻市では、木質バイオマス発電所の整備を含む「信州 F・POWERプロジェクト」を推進しており、将来的には地域電力設立によるエネルギーの地産地消も検討するなど、再生可能エネルギーの利活用に向け積極的に取り組んでいる。
グリーン電力エンジニアリングは、同市の取り組みに賛同し、同市地域電力との連携の他、発電プラント工事の地元企業への発注や雇用創出など、地域の活性化に貢献する方針だ。
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