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太陽光発電の「設計ガイドライン」が改定へ、押さえておきたい要点は?太陽光(2/3 ページ)

太陽光発電の構造的な安全性を確保するために、「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン」の改訂作業が進められている。野立ての太陽光発電システムは、何に留意して設計しなければならないのか? 「PVJapan2018」で、ガイドラインの策定に携わった奥地建産の高森氏が解説した。

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発電所の「基礎」はどう設計すべきか

 「基礎の設計」は、直接基礎と杭基礎に分けられる。直接基礎については、地盤反力・浮上がり・転倒・滑動がチェックポイントとなる。ここでも、設計荷重の1.5倍以上の抵抗力を持たせることが求められている。杭基礎の場合は設置される位置の地盤の状況により耐力が異なるので、設置現場で杭の支持力試験(載荷試験)を行うことが基本となる。風の影響もあるので、押し込み力・引き抜き力だけでなく、水平力についても検討を怠ってはならない。


「基礎の設計(直接基礎)」のポイント 出典:奥地建産

 「安定構造」に関しては、節点と支点がポイント。節点とは部材と部材をつなぐ「接合部」のことであり、太陽光発電設備はここから損壊するケースが非常に多いという。「接合部は力の伝わり方が複雑なので、高度な解析ができるところは良いのですが、できない場合には載荷試験を実施してほしい。実際に接合部に荷重をかけて、どのくらいまで耐え得るのか、これを調べることは非常に重要です」(高森氏)。


架台の「接合部」がポイントに 出典:奥地建産

 「腐食対策」は、架台・杭基礎の材料として鋼材を使用する場合に、特に重要だ。塩害はもちろん、ステンレスボルトに亜鉛めっきナットを使用するなどの異種金属接触によっても腐食は生じる。設計ガイドラインには、「架台においてアルミニウム形材とステンレスボルトの組合せが多く見受けられるが、著しく海塩の影響を受ける沿岸部などの環境では腐食が懸念されるので絶縁や防水などの防食措置をとることが推奨される」とも記されている。


「腐食対策」のポイント 出典:奥地建産

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