落差1メートルで発電する小水力発電機、福島でデモ稼働:自然エネルギー
協和コンサルタンツは、開発した1メートルの落差で発電可能な小水力発電機のデモンストレーションを福島県白河市で開始。地元住民が小水力発電への関心を高める機会とする他、地域小学校の防犯・防災、環境教育に活用する。
協和コンサルタンツ(東京都渋谷区)は福島県白河市で1メートルの落差水路で発電が可能な「相反転方式落差型小水力発電装置」のデモンストレーションを開始した。白河市から設置場所の提供を受けたもので、2018年10月31日まで実施する予定だ。
設置した小水力発電装置の発電能力は落差1m(メートル)、使用水量0.15立方メートル/秒で発電出力は450W(ワット)、一日の総発電電力量は約10kWh(キロワット時)となる。
同小水力発電装置に採用されている「相反転方式」は発電機の磁石を回転させて発電する従来の技術と異なり、磁石の外側にあるコイルも同時に回転(磁石とは逆回転)させる機構となっている。
この機構を採用したことにより、モーター部の回転数を上げ、小落差でも効率良く発電することが可能となった。また、この機構は回転方向に発生する力が相殺される特性を持つため、強固な設置工事は不要で、簡易で短期間に設置できるという。
今回のデモンストレーションは地元住民が小水力発電に関心を高めてもらう機会にするとともに、地域小学校の防犯・防災、環境教育に活用される予定となっている。今後は農業の6次産業(農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態)など向けの電源や、非常用電源としての活用方法を検討する。
この他、導入を検討する団体向けには実機見学会(小水力発電セミナーを含む)などの開催を予定している。
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