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洋上風力で海洋油田に電力供給、出光がノルウェーで:自然エネルギー
出光興産は同社が権益を保有するノルウェーの海洋油田の設備に、洋上風力発電を利用して直接電力供給を行うプロジェクトの検討を開始。実現すれば世界初の試みになるという。
出光興産の子会社である出光スノーレ石油開発(東京都千代田区)は2018年8月、ノルウェー現地法人の出光ペトロリアムノルゲ(Idemitsu Petroleum Norge)を通じ、権益を有するスノーレ油田で、浮体式洋上風力発電による電力確保の検討を開始したと発表した。
同プロジェクトは、ノルウェー領北海の海洋石油ガス田生産設備の近傍に、定格8000KW(キロワット)の浮体式風力発電設備11基からなる洋上ウィンドファームを建設し、石油ガス生産設備へ直接接続するというもので、世界初の試みという。
発電された電力は、同社が出光ペトロリアムノルゲを通じて9.6%の権益を有するスノーレ油田と、近傍のガルファクス油田に供給される予定だ。浮体式風力発電設備には、北欧最大のエネルギー企業であるエクイノール社(ノルウェー・スタヴァンゲル)の「Hywind(ハイウィンド)」コンセプトを採用する。
同プロジェクトが実現んすれば、同エリアの石油ガス生産設備で現在使用しているガスタービン発電からの電力の35%程度が再生可能エネルギーである風力発電に置換される見通しで、風況が良好な時期にはこの割合はさらに増大する。今後は2019年の最終投資判断に向け、設計や建設・設置作業の詳細を検討していく予定だ。
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