廃棄物発電でEVを駆動、川崎市が電池交換型のごみ収集システム導入:電気自動車
川崎市がJFEエンジニアリングの「エネルギー循環型ごみ収集システム」を導入。廃棄物発電の電力を交換式のバッテリーシステムに蓄電し、その電力をEVゴミ収集車の走行に活用できる。
JFEエンジニアリングは、このほど川崎市から廃棄物発電を活用した「エネルギー循環型ごみ収集システム」(ZeroE)を受注した。日本初の電池交換型EVごみ収集システムとなるという。
ZeroEは、焼却施設における廃棄物発電で得られる電気を、敷地内の電池ステーションへ送電して電池を充電し、EVごみ収集車に搭載してごみ収集を行えるシステム。特徴として、電池ステーションでの電池交換が、ボタン1つで、1回当たり3分程度で交換でき、一日の走行距離を確保しながら、効率的なごみ収集作業が可能となる。走行中・作業中のCO2やNOxの排出がない他、静かな走行性能など環境にやさしく、さらに、災害対策拠点や避難所などでの非常電源としても活用可能だという。
電池ステーションは、川崎市浮島処理センター内に設置される。出力1万2500kW(キロワット)の発電能力を持つ。JFEエンジニアリングが設計・建設を行い1995年に稼働を開始した施設で、20年以上にわたり同社が同施設のメンテナンスも行っている。同社と川崎市は、2016年3月から1年間、同センターで発電した電気を用いて、これまでZeroEの実証試験を行い、実用化に向けた検証を行ってきた。
今回、川崎市が導入するZeroEの主な設備は、EVごみ収集車が2台で、配置先は南部生活環境事業所となる。この車両は川崎区のごみ収集に活用する予定だ。また、電池ステーションは浮島処理センターに1基導入する。
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