北海道地震による大停電、85%の住宅太陽光ユーザーが自立運転を活用:太陽光
太陽光発電協会は2018年9月に発生した北海道地震に伴う大規模停電で、住宅太陽光発電の自立運転機能がどれほど活用されたなどを調査。約85%が自立運転機能を利用し「停電時に有効に活用できた」との声が寄せられたという。
太陽光発電協会(JPEA)は2018年9月に北海道胆振東部地震によって発生した大規模停電に際し、太陽光発電の自立運転機能を活用された実態を把握するため、同協会の会員を通じて太陽光発電設備の設置者に対して、「太陽光発電の自立運転機能」の活用についてのアンケート調査を実施し、その結果を公表した。
今回の地震で、住宅用太陽光発電システムの設置者は、蓄電池を併設しないケースでも約85%が自立運転機能を利用し「停電時に有効に活用できた」との声が寄せられたという。
アンケートの結果によると、蓄電機能を併設していない太陽光発電システムのみを導入しているユーザーでは、自立運転機能を利用した件数(利用率)は85%(428件のうち364件)にのぼったという。
自立運転機能を利用した人からは「冷蔵庫の中の食材を腐らせずに済んだ」「炊飯器でご飯を炊くことができた」「携帯電話を充電できた。また、近所の方も充電することができた」「ポータブルTVで震災情報をいち早く入手することができた」などの声が寄せられた。
この他にも、蓄電池・EVなどの蓄電機能を併設した住宅用システムが1134件、住宅以外の太陽光発電システムが9件あり、これらのほとんどは自立運転機能を利用したと推測される。また、こうした蓄電機能併設システムのユーザーからは「約2日間問題なく生活できた」「近所が真っ暗な中、自宅のみが電気がついていた」など、普段と同じ生活ができたとの声が寄せられている。
一方で、住宅用太陽光発電システムで自立運用を活用しなかった理由を尋ねたところ「運転方法が判らなかった」(33件)、「自立運転機能があることを知らなかった」(13件)という意見が多かった。そのほか、「自立運転用コンセント未設置(屋外設置PCS)」「コンセントの場所が判らなかった」「自立運転機能が作動しなかった」「エラーが表示され、自動で切替わると思っていた」「使う前に復電した」などとなっている。
JPEAでは「自立運転機能を知らなかった」「使い方が判らなかった」という意見があったことから、同協会のWebサイトに、自立運転機能の使用方法が掲載された太陽光発電メーカーWebサイトへのリンクを掲載している。
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