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EVの蓄電池と太陽光をまとめて最適化、新しいエネマネ技術:エネルギー管理(2/2 ページ)
三菱電機は電気自動車や蓄電池などの蓄電設備と、太陽光発電などの発電設備を組み合わせて管理する新しいエネルギーマネジメントシステムを開発。電気料金単価の変動に連動してEVの充放電スケジュールと太陽光などの発電設備の運転を最適化することで、建物の電力コストを削減できるという。
同技術を用いることで、建物の敷地内に駐車中の複数台のEVと、太陽光などの発電設備を連携させ、電力需要・太陽光の発電量を予測し、電力コスト最小化を目的関数とした最適化計算により、ピークカット・ピークシフトを実現する。最適化計算にあたっては、契約電力量・電気料金単価・電力需要・EVの使用予定などを入力し、契約電力量などの受電電力容量・需給バランス・蓄電池の最大・最小充放電量などを制約条件として、独自のモデルを組み込んだ数理計画法により、各電源設備の運転計画や充放電スケジュールを策定する。
具体的には、電力需要や電気料金単価の変動を考慮して、電気料金単価が高い時間帯に、安い場所で、安い時間帯に充電したEVの電力を放電するように、最適な運転計画やEVの充放電スケジュールを策定する。
さらに1日数回、24時間先までの充放電計画を策定する「1日計画」、数分周期で数時間先までを策定する「計画補正」、数秒周期で策定する「制御指令」を組み合わせて、系統からの購入電力やEVの充電量を監視しながら、策定済みの充放電計画からの予測のずれやEVの使用予定のずれを修正して、運転計画や充放電スケジュールの精度を改善する。
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