太陽光を自営線と自己託送で“地産地消”、千葉県の大型リゾート施設で:太陽光
リソルホールディングスが千葉県にある自社の大型複合リゾート施設に、再生可能エネルギーの地産地消システムを導入。自営線と自己託送を活用し、太陽光発電の電力を全て自家消費するという。
リゾート開発を手掛けるリソルホールディングスは、大型複合リゾート施設「リソル生命の森」(千葉県長柄町)に、太陽光発電の電力を自営線と自己託送を組み合わせた、「地産地消エネルギーシステム」を導入する。設備工事を2018年10月から開始し、2020年4月から運用を開始する計画だ。
リソル生命の森は、ゴルフ場、ホテル、医療、住宅などのさまざまな施設を持つ、リゾートコミュニティータウン。この敷地内に、再生可能エネルギー電源として出力1.2MW(メガワット)の太陽光発電設備を導入する。発電した電力は、約1.3km(キロメートル)の自営線を通して、日本メディカルトレーニングセンター(JMTC)に供給する。JMTCで使い切れない余剰電力は、既設の配電線を利用してゴルフ場クラブハウスへ自己託送を行う。これにより、太陽光発電設備で発電した電力を全て自家消費する狙いだ。
さらに、地産の再生可能エネルギーを地消する設備として、貯湯(蓄熱)型のヒートポンプ給湯機、電気自動車(EV)を活用した充放電システムを導入し、エリア全体でのエネルギーマネジメントも実施する。
これらのシステムの導入により、JMTCとゴルフ場クラブハウスの光熱費の31.4%を再生可能エネルギーの電力で賄う。省エネ効果は、化石燃料換算で、年間338kL(キロリットル)相当するという。
今回のプロジェクトの総事業費は約5億円。「地域の特性を活かしたエネルギーの地産地消促進事業」に採択されており、一部に補助金を活用している。
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