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「電気・ガス・水道」をまとめて検針、北陸電力らが実証実験へ:IT活用
北陸電力が水道業界の企業と共同で、電力とガス、水道の共同検針を目指す実証実験に着手。電力用のスマートメーターと水道メーター間の連携や、電気・ガス・水道の生活インフラ全ての使用実態を見える化することによる付加価値の検討などに取り組む計画だ。
北陸電力は2018年11月、同年12月からエヌ・ティ・ティテレコン(東京都台東区)および水道業界各社と共同で、電気・ガス・水道の共同検針についての実証試験を開始すると発表した。
実証試験では、同社とエヌ・ティ・ティテレコンが、ガス・水道遠隔検針サービスの提供に向け、金沢市などの北陸地域の顧客宅および同社が構築した検証環境で、電気・ガス・水道の各システムの連携試験、水道メーターと電力用スマートメーター間の電波伝搬試験、ガス・水道遠隔検針サービス提供に向けた回線登録の検討などを行う。
水道業界各社は水道スマートメーター普及に向けて、総合動作試験による低コスト化の検討を実施する。実証試験には電子式メーカー(羽根車式)として東洋計器、愛知時計電機、アズビル金門。機械式メーカーとして柏原計器工業、大豊機工が参画している。
この他、水道スマートメーターで取得した1日の指示値データに基づく、水道の使用実態の「見える化」による水道業務のコスト低減の検討、電気・ガス・水道のトータル使用実態の見える化による付加価値の検討などを行う。
同実証試験で得られた知見や課題を通じて「電気・ガス・水道の共同検針の実現」、「水道のスマートメーター化およびデータ活用」を目指す。試験期間は2019年10月まで。
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