ブロックチェーンで電力融通、ミニストップらが参画する実証が19年4月から:エネルギー管理
2019年4月からデジタルグリッドが環境省から受託した実証事業として、ブロックチェーンを活用した電力融通を行う実証実験がスタート。コンビニのミニストップや戸建住宅に専用機器を設置し、仮想的な電力融通取り引きを行う計画だ。
ミニストップ(千葉市)はこのほど、デジタルグリッド(東京都千代田区)が環境省より受託した「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に2019年4月から参加すると発表した。既に同実証事業への参加に先駆け、小売業として初めてという、電力融通を行うデジタルグリッドコントローラー(DGC)を埼玉県のミニストップ4店舗に設置している。
デジタルグリッドは、情報と電力と金融を融合した総合エネルギーサービス事業で、ブロックチェーン技術を活用して電力を識別し、P2Pの電力取り引きプラットフォームの構築や、発電量計測システムの開発などを行っている。
実証実験は、系統(電線)と切り離された地域を作ることにより、再生可能エネルギーの発電を最大限生かすことを目的とする。同時に再生可能エネルギーの有効活用による低炭素化を図るとともに、災害時の電力の自立運営を目指す。
今回、ミニストップに設置したDGCは、店舗の使用電力量を計測すると同時に、使用電力量に影響する気温と気圧を計測するセンサーを装備し、需要電力量の予測を行う機能を備える。実証実験はデジタルグリッドおよびファシリティマネジメント事業を展開するイオンディライトと共同で実施し、DGCをさらに埼玉県・浦和美園地区のイオンモール浦和美園や、スマートコミュニティ街区の戸建住宅にも設置し、ブロックチェーンを用いた電力融通決済システム上で、仮想的な電力融通取り引きを行う計画だ。
ミニストップは、イオングループの一員として「イオン脱炭素ビジョン2050」の実現に向けた取り組みを推進している。
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