英国最大級の洋上風力プロジェクト、MHIヴェスタスが9.5MW風車を100基納入:自然エネルギー
三菱重工業の関連会社MHIヴェスタスが英国最大級の洋上風力発電プロジェクト向けに、9.5MWの風車を100基納入すると発表。MHIヴェスタス設立以来最大規模の受注で、発電所は2022年の運転開始を予定している。
三菱重工業の関連会社MHIヴェスタス(デンマーク・オーフス市)は、英国の風力発電事業者であるモレイ・イースト社が同国スコットランドの東岸沖合で開発を進める出力95万kW(キロワット)級の「モレイ・イースト洋上風力発電所」向けに、9500kWの洋上風力発電設備「V164-9.5MW」100基納入すると発表。併せて15年間の長期保守サービス契約も締結した。MHIヴェスタス設立以来最大規模の受注で、発電所は2022年の運転開始を予定している。
モレイ・イースト社は、スペインの再生可能エネルギー事業会社であるEDPR社、英国のDiamond Green社(三菱商事グループ、関西電力グループ、三菱UFJグループが出資)、およびフランスの総合エネルギー企業であるENGIE社の合弁会社。モレイ・イースト洋上風力発電所は、モレイ湾の沖合約22kmの北海洋上にあり、英国最大級の洋上風力発電プロジェクトとして、約95万世帯分の電力を供給する計画だ。
MHIヴェスタスでは今回の受注に対応して、建設海域近傍のクロマティー湾の一角に、出荷に向けた仮組み立て拠点を開設するほか、同社の持つワイト島のブレード工場での生産を予定している。一連の業務により英国での地元雇用の創出が見込まれている。
MHIヴェスタスは、デンマークのヴェスタス社と三菱重工業が折半出資する洋上風力発電設備合弁会社で、2014年に設立。納入済みおよび今後納入予定の発電設備は8GW(ギガワット)を超えている。
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