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カーシェア事業も検討、北電が住宅の「3つの電池」を制御する実証実験:電気自動車
北陸電力は富山市内の社宅に電気自動車、蓄電池、太陽光発電を導入し、これらを統合管理する実証実験に着手する。複数電源のマネジメント技術・ノウハウ獲得や、新サービスの創出に役立てる狙いだ。
北陸電力は2019年1月から、富山市内にある同社の社宅に、電気自動車(EV)、蓄電池、太陽光発電を導入し、これらをEMS(エネルギーマネジメントシステム)で統合管理する実証実験を開始する。
再生可能エネルギーの導入拡大により、一般家庭にも太陽光発電が普及している中、電気をためて取り出すことが可能なV2H(Vehicle to Home)機器を併設したEVや、蓄電池の普及が始まりつつある。一世帯当たりの自動車保有台数が多い北陸地域では、将来、複数の電気自動車を導入する家庭も増える見込みだという。
こうした状況を見据え、同実証試験では、EVや蓄電池、太陽光発電などを組み合わせて、同社が遠隔で制御(エネルギーマネジメント)する技術、ノウハウの確立を目指す。具体的には蓄電容量16.0kWh(キロワット時)のEV3台、同11.1kWhの蓄電池、4〜5kWの太陽光発電システム(2019年4月以降に設置予定)などを各家庭(契約電力10kVA)の電気系統に設置し、EMSを用いて、太陽光発電の状況や家庭の電力使用状況を把握する。並行してEVおよび蓄電池の充放電やエコキュートなどの稼働を同社が遠隔で制御することで、利用者が意識することなく、電気を最適に利用可能にする技術・ノウハウを確立することを目的とする。
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