AIが省エネレポートを自動作成、中部電力が法人顧客向けに無料提供:電力供給サービス
中部電力が法人顧客向けに「AIを活用した省エネレポート」の送付を開始。実際の電力使用データや延床面積、業種などの顧客情報、気温データを分析し、その結果をもとに電力の使用実績と今後の予測に基づく省エネに役立つアドバイスをまとめたレポートを送付する。
中部電力は2019年2月、同社の法人顧客向けWebサービス「ビジエネ」上で、「AIを活用した省エネレポート」の提供を開始した。中部電力と高圧あるいは特別高圧の電気契約があるビジエネ会員は、無料で閲覧が可能だ。
ビジエネは料金・使用量照会や省エネや販売促進、防災、防犯など、ビジネスにおける課題解決を目的としたサービス。今回追加した省エネレポートは、AIが実際の電力使用データや、延床面積や業種などの顧客情報、気温データを分析。その結果をもとに、電力の使用実績と今後の予測に基づく省エネに役立つアドバイスをまとめたレポートを自動で作成し、月に1回のペースで提供するもの。また、2019年4月からは、登録したメールアドレスに毎月レポート更新をメールで案内する。
顧客は、空調設備の設定温度変更や、照明の間引きなどによる省エネ効果の算出など、最新の電力使用実績に基づく省エネアドバイスをいつでも確認できることから、省エネ・省コストの取り組みを進めやすくなるという。顧客の最大需要電力の発生時期は設備の利用状況や気象条件などにより異なるが、AIの活用により、高予測精度を実現したとしている。
サービスの対象は、同社と高圧あるいは特別高圧の電気の契約が1年以上あるビジエネ会員。サービス開始日は高圧の顧客で契約電力500kW未満が2019年2月19日から、同契約電力500kW(キロワット)以上および特別高圧の顧客が2019年4月中旬の予定だ。
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