太陽光の“卒FIT”向け蓄電池、ニチコンが容量16.6kWhの新モデル:蓄電・発電機器
ニチコンが住宅太陽光発電の「卒FITユーザー」向けの蓄電池を発表。業界最大水準という16.6kWhの大容量が特徴のモデルだ。
ニチコンは2019年2月、家庭向けの新型蓄電池を発表した。「卒FIT」をむかえる住宅太陽光発電ユーザー向けに、蓄電容量を16.6kWh(キロワット時)とした大容量モデルで、同年5月から販売を開始する。希望小売価格は税別400万円。
2019年11月以降、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」に基づく電力の買い取りが満了となる住宅太陽光発電ユーザーが登場しはじめる。こうした「卒FIT」をむかえるユーザーは、新たに売電先を契約するか、発電した電力を自家消費することになる。自家消費を行う場合には、エネルギー利用効率の向上や防災対策にも役立つとして、蓄電池の導入を検討するユーザーも登場するとみられている。
今回ニチコンが開発した蓄電池は自家消費を選択するユーザー向けで、容量16.6kWhのリチウムイオン蓄電池を採用。平均的な使用電力(480ワット)の家庭であれば、最大約30時間にわたって電力利用が可能であり、太陽光発電で発電した余剰電力を蓄えて夜間使用すれば、電力の完全な自給自足も目指せるとしている。
この他、国内外の幅広いメーカーの太陽光発電設備と接続できるよう単機能タイプとした他、非常時を想定し、一定の蓄電量を使わずに蓄えておける機能も備える。工場出荷時は30%、約5kWhを蓄える設定となっており、この場合停電が発生しても標準的な家電であれば約9時間電力を利用できるとしている。この設定容量はユーザー側で自由に変更可能だ。
外形寸法は蓄電ユニット部分が1060×1250×300mm(ミリ)で、重量は234kg(キロ)。10年間の長期保証および災害補償が付帯する。ニチコンでは年間1万台の販売を目指す方針だ。
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