再エネ活用を進める花王、2工場に自家消費型の太陽光発電を導入:太陽光
CO2排出量の削減に向けて再生可能エネルギー活用を推進している花王グループ。新たに栃木工場(栃木県市貝町)と豊橋工場(愛知県豊橋市)で、自家消費型太陽光発電設備の運用を開始した。
花王グループは事業活動による温室効果ガス排出量を削減する取り組みの一環として、太陽光発電設備の導入およびCO2排出量ゼロ電力の購入を実施するなど、再生可能エネルギーの活用を進めている。その一環として、栃木工場(栃木県市貝町)と豊橋工場(愛知県豊橋市)で、2019年2月1日から自家消費型太陽光発電設備の運用を開始した。
栃木工場では、既設生産棟2棟の屋根にパネル発電容量合計1500kW(キロワット)の太陽光発電設備を導入しており、花王グループ最大のメガソーラーになる。豊橋工場では、2018年に完成した生産棟および事務棟の屋根にパネル発電容量合計336kWの太陽光発電設備を設置した。2工場4棟合計で、年間約1900MWh(メガワット時)の発電量により、約1100トンのCO2排出量削減を見込んでいる。
今回の案件は環境省の補助事業案件(平成30年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)であり、花王の地域特性に応じた再生可能エネルギーの普及拡大や、再生可能エネルギー設備への投資促進方針が評価されたもだという。
花王は、これまで2018年1月に愛媛工場に太陽光発電設備を導入したのを皮切りに、2018年6月には小田原工場で購入電力の40%を水力電源によるCO2排出量ゼロ電力使用を開始した。さらに、愛媛工場では非化石証書を使用した電気調達により、購入電力のCO2排出ゼロ化(CO2排出量年間2万5000トンの削減)し、さらに先に導入した太陽光発電設備と合わせ、工場使用電力を100%再生可能エネルギー化した。この他、2018年10月には栃木工場、鹿島工場、川崎工場、小田原工場で、水力電源の受電やグリーン電力証書を使用することにより、4工場合計でCO2排出量年間2万9000トンの削減を実現するなど、太陽光発電設備の導入やCO2排出量ゼロ電力の購入を進めてきた。
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