モジュラー式で単機最大5.5MWを実現、TMEICが太陽光向け新型パワコン:太陽光
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が太陽光発電および蓄電システム用の新型パワーコンディショナーを発売。出力920kWのモジュラー式PCSを並列化することで、単機最大容量を従来の3.2MWから、世界最大クラスの5.5MWに引き上げた。
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、大容量太陽光発電システム向けおよび蓄電システム用として、モジュラー式で可変性の高い新型パワーコンディショナ(PCS)を開発した。グローバル市場向けに2019年5月から販売を開始している。
太陽光発電システムをはじめとした再生可能エネルギーの導入量は、世界的に拡大の一途をたどっている。これに伴う電力系統の安定化や電力貯蔵のニーズを背景に、バッテリーを活用した蓄電システムの需要が増加しつつある。TMEICは、これら大容量太陽光発電システム/蓄電システム用のPCSの新製品において、99.1%の変換効率を実現すると同時に、単機最大容量を従来の3.2MW(メガワット)から、世界最大クラスの5.5MWに引き上げた。出力920kWのモジュラー式PCSを並列化した構成とすることで実現した。
さらに複数PCSの電力をまとめて昇圧するACステーションについても、従来の2550kW単位の構成から、モジュール容量(640〜920kW)単位の構成とすることで、各サイトの規模に対応した最適なシステム構成を可能とする他、ステーション当たりの最大容量も、従来の10MW(2550kW×4台構成)を大きく上回る容量を構成可能とした。
今回発売したのは、多様なニーズに対応した国際電気標準規格(IEC)/米国製品安全規格(UL)等に準拠した全14機種(太陽光発電システム用8機種、蓄電システム用6機種)で、高温多湿、砂漠、寒暖差、高標高、塩害地区など広範囲な設置環境に適用可能だ。
さらに、モジュラーごとにMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御機能を搭載し、太陽光発電パネルの一部に雲がかかった場合や、平坦でない山間部などのシステムにおいても、通常運転時のシステム全体出力を最大化する。世界最小レベルの据付面積による据付工事コストの低減したほか、屋外型ベンチレーション冷却方式による導入コスト、ランニングコストを引き下げるなど、最新システム技術による運用効率や信頼性向上、設置・運用コストを低減している。
関連記事
- 大規模太陽光向けパワコンは1500Vが主流に! 世界のトレンドが見えてきた
大規模太陽光発電所の高電圧化が進んでいる。かつては600Vシステムが一般的だったが、やがて1000Vが主流となり、いまや新設大規模案件の多くが1500V仕様になろうとしている。この動きを加速させているのは、海外のパワコンメーカーだ。「スマートエネルギーWeek2018」で、各社の動向を探った。 - 単機で容量3200kW、1500V対応の太陽光パワコンを新発売
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、1500V対応の単機容量3200kWの太陽光発電システム用屋外型パワーコンディショナ(PCS)を発表。2019年1月から販売を開始する。 - 世界基準の1500Vパワコン、米国で評価され日本企業で初の受注
東芝三菱電機産業システムは、日本勢としては初めて太陽光発電システム用1500V系パワーコンディショナーの受注に成功した。 - 遠隔から太陽光発電の運転を停止、パワコンの外部接点を活用
コンテックが太陽光発電の遠隔操作・監視に関する新製品を発表。パワコンの外部接点を利用して、遠隔から発電所の運転を操作できる。出力制御への対応に向けた製品だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.