ビール工場に「再エネ×水素」で電力供給、アサヒビールが東芝「H2One」を導入:自然エネルギー
アサヒグループホールディングスが茨城県のビール工場に東芝のCO2フリーの自立型水素エネルギー供給システム「H2One」を導入。工場見学時の試飲に必要なビールサーバ、照明など見学施設の電力として活用する。
東芝はアサヒグループホールディングスから受注した自立型水素エネルギー供給システム「H2One」の納入が完了し、アサヒビール茨城工場(茨城県守谷市)内で2019年6月17日から営業運転を開始したと発表した。
H2Oneは、再生可能エネルギーと水素を活用して、電力を安定的に供給できるCO2フリーの自立型水素エネルギー供給システム。同社独自の水素エネルギーマネジメントシステム「H2EMS」が最適に制御することにより、再生可能エネルギーで製造した水素を計画的に純水素燃料電池システム「H2Rex」で発電して電力供給を行う。
低炭素化に向けて再生可能エネルギーの導入が進む一方で、再生可能エネルギーは気象条件などによる出力変動が大きいため、発電した電力の効果的な活用が求められている。アサヒグループでは、今回、H2Oneと共に太陽光発電設備を新たに導入しており、工場における再生可能エネルギーの適応性について検証する予定だ。
H2Oneにより発電された電力は、工場見学時の試飲に必要なビールサーバ、照明など見学施設の電力として活用される。
なお、今回の取り組みは、環境省が進める「水素を活用した自立・分散型、エネルギーシステム構築事業」の対象であり、IBJL東芝リースが代表事業者となっている。
東芝はこれまでH2Oneを駅やホテル、スタジアムなどさまざまな用途向けに納入している。今回のアサヒビール茨城工場の納入分を合わせて累計納入台数は11台となる。
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