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下水汚泥で発電して環境負荷も低減、JFEエンジが新型技術を商用化:自然エネルギー
JFEエンジニアリングは、下水汚泥の新たな処理技術「OdySSEA(オデッセア)」を商品化した。下水汚泥の焼却に伴う環境負荷を大幅に低減しながら、高効率な発電が可能となっている。
JFEエンジニアリングは2019年8月6日、下水汚泥の新たな処理技術「OdySSEA(オデッセア)」を商品化したと発表した。下水汚泥の焼却に伴う環境負荷を大幅に低減するとともに、高効率な発電が可能となっている。
OdySSEAでは、新たに開発した復水式蒸気タービンと、冷却水に下水処理水を用いるシステムが下水汚泥の焼却施設に導入された。これにより、1日当たり60wet-t程度の小規模焼却炉でも高効率発電が可能となっている。発電電力量が施設の消費電力量を上回る、いわゆる電力の完全自立が確認された。
また、焼却炉内に空気を最適な位置から集中的に吹込み、効率よく下水汚泥を燃焼させる。これにより、温室効果ガスであるN2O(一酸化二窒素)の分解を促進しながら、同時にNOx(窒素酸化物)の発生も抑制する。N2OとNOxをそれぞれ50%以上削減できるという。
OdySSEAは、下水汚泥焼却施設の新設・更新時に加えて、さまざまな既設焼却炉への導入も可能となっている。JFEエンジニアリングは今後の積極的な販売促進を計画している。
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