余剰電力を仮想的に“預かる”プランも、中国電力が卒FIT太陽光向けに新サービス:電力供給サービス
中国電力が卒FITを迎える住宅太陽光発電ユーザー向けの新プランを公表。余剰電力を仮想的に預かり、蓄電池を設置した場合と同様に自宅の使用電力に充当したとみなすプランや、提携崎企業への環境価値の提供によりポイントを得られる独自のプランなどを用意した。
中国電力(広島県広島市)は2019年8月23日、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」による住宅用太陽光発電設備の買い取りが終了する卒FITユーザー向けプランの詳細を発表した。
卒FITユーザー向けの余剰電力買取サービスの名称は「ぐっとずっと。グリーンフィット」。2019年度の買取単価は7.15円/kWhに設定した。なお、現在同社と太陽光発電の買取契約を締結されているユーザーは、卒FIT後に自動的に同プランに移行する。
ぐっとずっと。グリーンフィットではこの通常プランの他に、2つのサービスも展開する。1つは「お預かりプラン」で、これは同社が太陽光発電による余剰電力を仮想的に預かり、蓄電池を設置した場合と同様に、昼間の余剰電力を自らの夜間の使用電力に充当したものとみなす。得られるメリットを、同社のポイントサービス「エネルギアポイント」として進呈する。具体的には、仮想的に預かったとみなす余剰電力1kWhに対して、1ポイントを付与し、さらに使用電力に充当できる余剰電力分に対し「ボーナスポイント」として、1kWhあたり1ポイントを加算する。
もう1つが、余剰電力に含まれるCO2排出量ゼロの環境価値を中国電力を通じて特定企業へ提供し、提供先企業のポイントなどのサービスを進呈するプランも用意した。これはイズミ(広島市)とイオン(千葉県千葉市)との提携によるプランで、名称はそれぞれ「ゆめかプラン」と「WAONプラン」。このプランでは通常単価での余剰電力の買い取りに加え、1kWh当たり1円相当のポイント(電子マネー「ゆめか」、WAONポイント)が付与される。
中国電力ではこの他、特別高圧・高圧の顧客向けの「再エネ特約」プランも公表。こちらは同社の保有する水力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電(揚水発電とFIT電気を除く)の環境価値を持つ電力を供給するプランで、同年8月23日から受け付けを開始している。
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