セブンが“再エネ100%”でコンビニ運営、卒FIT太陽光やEVの蓄電池も活用:自然エネルギー(2/2 ページ)
セブン-イレブン・ジャパンが神奈川県内のコンビニ10店舗において、運営に必要な電力を全て再生可能エネルギーとする実証実験を開始。太陽光発電、蓄電池、卒FIT電力の調達などを組み合わせて再エネ由来100%の店舗運営を実現する計画だ。
卒FIT電力を調達して再エネ比率を100%に
実証店舗では太陽光発電の導入と蓄電池によるエネルギーマネジメントに加え、調達する電力を再生可能エネルギー由来電力とすることで実質的に100%再生可能エネルギーで店舗を運用する計画だ。
電力の調達先は新電力のスマートテックで、同社は2019年11月以降、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」に基づく電力の買い取りが終了する住宅太陽光発電ユーザー(卒FITユーザー)から調達した電力を供給する計画だ。そのため、実質的に再生可能エネルギー由来電力100%で店舗運営を行うのは、同年11月以降となる。
トヨタと水素の活用も検証中
セブン‐イレブン・ジャパンを傘下に置くセブン&アイ・ホールディングスでは、中期計画でグループの店舗運営に伴うCO2排出量を2013年比で2030年までに30%減、2050年までに80%削減する環境目標を掲げている。同社の事業におけるCO2排出は、店舗運営の電力消費に起因する部分が約9割を占めるという。
この目標に向けセブン‐イレブン・ジャパンでは、全国約8000店舗(2019年8月末現在)に自家消費用途の太陽光発電を導入した他、配送車に電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)を導入するなど、店舗運用における環境負荷の低減に向けた取り組みを進めてきた。2019年からはトヨタ自動車と共同で太陽光発電と水素を利用する次世代店舗の開発にも取り組んでいる。
関連記事:太陽光と水素で動くコンビニ、トヨタとセブンが共同開発
今回発表した実証は、2019年4月に神奈川県と「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」を結んだことによるもので、環境負荷の少ないより先進的な店舗運営の実現に向けた足掛かりとしたい考えだ。
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