ニュース
FITの入札システムで情報漏えい、経産省が今後の太陽光・バイオマス入札の方針発表:太陽光(2/2 ページ)
太陽光・バイオマス発電のFIT制度に基づく買取価格を決める入札システムで情報漏えいが発生した問題について、経済産業省が原因と今後の方針を発表。太陽光発電の第5回入札およびバイオマス発電の第2回入札に関わる事業者は注意が必要だ。
太陽光の第5回、バイオマスの第2回入札はどうなる?
当初、太陽光発電の第5回入札と、バイオマスの第2回入札は、当初予定していた入札期間が2019年11月21日〜12月6日だった。だが、期間中である同年11月28日に情報漏えいが発覚したため、現在も中断されている状態だ。これらの入札について経済産業省では、「札入れ期間中に入札を停止したことから、公正な入札が阻害されることは防止されたと考えられる」としている。
ただし、その再開については、「漏えいした他の参加者の情報を知っている参加者と、そうでない参加者との間で、情報の非対称性が生じており、公平性に与える影響が大きい」と判断。その対策として、「入札参加資格を得た件数・容量(出力)」の公開することとした。なお、同日に非公開で実施された同委員会で、募集容量と上限価格を非公表とする方針の変更は行わないことが決まった。
これらの議論を経て、経済産業省は入札参加資格を得た件数・容量を公開した。太陽光発電は88件で324MW(メガワット)、バイオマス発電については4件で6MWだった。太陽光発電の募集容量は約416MW、バイオマス発電については120MWであるため、非公開の上限価格を下回る入札を行えば落札可能な状況だ。なお、第4回の太陽光発電の上限価格は14.0円/kWh、第1回のバイオマスの上限価格は20.60円/kWhだった。
関連記事
- 太陽光のFIT価格はついに“10円台”に突入、第4回入札の結果が明らかに
FITによる事業用太陽光発電の価格を決める第4回入札の結果が公表された。最低落札価格は10.50円/kWhとなり、これまでの入札の中で最も低い価格となった。 - FITの抜本改革で“低圧太陽光バブル”は終焉へ、入札制度は100kW以上に拡大
「FIT制度の抜本的改革」に向けた議論が本格化。FIT開始以降、国内で急速に普及し、安全面での懸念も指摘されている野立て型の低圧太陽光発電は、2020年度からこれまでのような投資目的での新規開発は事実上難しくなりそうだ。 - FIT抜本改革で激変する太陽光発電市場、ソーラーシェアリングの扱いはどうなるのか?
太陽光発電と農業を両立する手法として、近年大きな期待と注目を集めている「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」について解説する本連載。今回は、政府が進めている「FIT制度の抜本改革」の議論の中で見えてきた、ソーラーシェアリングの取り扱いの方向性について解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.