野立て太陽光発電が「非常用電源」に早変わり、エクソルが電力供給キットを販売:太陽光
エクソルが太陽光発電の自立運転機能用外部コンセントキット「救電BOX」の発売を開始。新設および既設の野立て太陽光発電所に取り付けることで、太陽光発電を災害時に非常用電源として活用できる。
エクソルは2020年2月21日、太陽光発電用の外部コンセントキット「救電BOX」の発売を開始すると発表した。新設および既設の野立て太陽光発電所に取り付けることで、停電などの非常時に外部に電力供給を行える。
野立ての太陽光発電所はパワーコンディショナーに自立運転機能があっても、電気を取り出すための外部コンセントが設置されていないケースが多く、この場合、台風や地震などの災害で大規模な停電が発生した場合に、発電した電気を非常用電源として有効活用することができなかった。
給電BOXはそうした非常時の際に、自立運転機能を備えたパワーコンディショナーに設置することで、スマートフォンなどの電子機器やポータブルバッテリーなどに給電できるようにすることを目指した商品。充電器を利用すれば、電気自動車への電力供給も可能という。
救電BOXは、パワーコンディショナーの自立運転機能を使用するためのコンセント、ブレーカー、ボックスなどが1つにまとめられたキャビネット使用で、屋内外を問わず、既設の発電所にも手軽に設置できるという。パワーコンディショナーに接続するためのケーブルの長さを調節することにより、隣接した場所(架台)や、発電所のフェンス、建物の壁など、任意の場所に設置可能だ。
救電BOXの主な仕様は、定格電圧が105V、1相2線式、定格周波数が50Hz、定格電流が12A、定格短時間耐電流が2.5kA。外形寸法は300×170×515mm、質量が12kg。セット内容はブレーカー1台とコンセント1台(2口)。
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