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下水汚泥から100世帯分の電力、ヤンマーがバイオガス事業を本格始動:自然エネルギー
ヤンマーエネルギーシステムは2020年2月からバイオガスを活用したFIT発電事業を本格的に開始。栃木県の2カ所の下水処理場で発生するバイオガスを利用し、年間100世帯分に相当する発電を行う計画だ。
ヤンマーエネルギーシステムは2020年2月から、下水処理場におけるバイオガスを活用したFIT発電事業を本格的に開始した。栃木県の思川浄化センター内および大岩藤浄化センター内に設置した発電設備で、発電所の名称は「YANMAR ENERGY FARM(ヤンマーエナジーファーム)」とする。
今回栃木県において開始する発電事業では、ヤンマーエネルギーシステムが発電事業者として発電設備を導入し、下水処理場の所有者である栃木県から処理過程で発生する汚泥などから生成した消化ガスを購入して発電する。発電した電力はFITで電力会社に売電し、発電時に発生するエンジンの廃熱は、下水処理場の消化槽の加温に用いる。
「YANMAR ENERGY FARM 栃木思川」は49kW(24.5kWの発電設備が2台)の発電所で年間売電量37万kWh、「YANMAR ENERGY FARM 栃木大岩藤」は25kWの発電所で年間売電量19万kWhが見込まれる。2カ所を合計すると、一般家庭100軒分の消費電力に相当するという。
ヤンマーエネルギーシステムでは今後も中小規模の下水処理施設などへの提案を行い、同システムの導入を推進する方針だ。
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